本日は小学校低・中学年の子が楽しめる本をご紹介させていただきます。
子供にも読みやすく、いろいろな要素が詰まった興味を掻き立てる本です。
紹介する本
本日は、あかね書房出版の「ひかる石のおはなし」という本を紹介します。
この本の作者は小手鞠るい先生で、著書に児童書もたくさんある方です。
この本は、さぴあ作文コンクールの低学年向け課題図書になっています。
あらすじ
小学生の楓は、学校の帰り道でまんまるな石を見つけました。かすかに光るその石は、なんと話し掛けてきます。
石から楓の家に持って帰ってほしいとお願いされた楓はその石を持って帰ることにしました。
楓はお父さんと2人暮らしです。
お母さんは、楓が小学校に入学する少し前にいなくなってしまいました。そして、友だちに「おまえのかあさん、死んだんだってな」と言われた楓は、口からことばが出なくなってしまったのです。
お父さんとさえ話せなくなっていた楓ですが、拾った石とだけは話すようになりました。楓が「きみはぼくの友だちだよ」と言うと、石は「わたしはいつも、きみのそばにいるよ」と答えます。
ある日、楓は石と話しているところをお父さんに見られました。慌てる楓に、お父さんは「おもしろい話をしてあげようか」としゃべり始めました。
「楓がひろった石は、いんせきの遠いしんせきかもしれない」と言うお父さんに、楓は思わず「ほんと?」と声を出しました。久しぶりに楓の声を聞いたお父さんの顔は輝き、話はさらに続きます。
石には、化石といって、昔は動物や植物だったものがあること。そんな化石がたくさんある場所を、お父さんとお母さんが訪ねたことがあること。お母さんは石が大好きだったこと。自然の中での石の役割のこと。
楓は今まで知らなかったお父さんとお母さんの昔話や化石のこと、石のことに興味津々です。
その時を境に楓はすっかりおしゃべりな男の子になりました。
それから・・・。
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感想
大好きな人とのお別れ。
お母さんとの死別により心に大きな傷を負った男の子の成長のお話です。
最初はお母さんの死を受け入れられず、話ができなくなっていた楓が、ひかる石をきっかけにして、お父さんからお母さんが石が好きだったことを聞き、また、お父さんがお母さんと一緒に化石の森で見た命と石の大きな循環の話を聞くことで、手の中の石に命の不思議を感じた楓は、石とのおしゃべりでお母さんの声を聞いたように感じ、心の傷が癒されていきます。
この本では、「大切な人がいなくなったら・・・。」といったイメージを小学生でも持てるようなお話です。
「自分でイメージする」ことと「お話の内容」で家族の大切さを感じることができると思います。
また、この本では、恐竜の絶滅の話、木や動物の骨が時間をかけて石になった話、海辺の砂や土がもともとは石だった話、ひかる石のお話など理科に興味が持てるような内容がストーリーの中に組み込まれています。
読みやすくて、普段読書をあまりしない子供にも興味を持ってもらえる本ですよ。
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今日も、一歩前へ。
では、また。
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