こんにちは。
先日、ダーウィンが来たの再放送が恐竜の話だったので、久しぶりに恐竜の化石をみたくなり、どこかいいところないかなと探してみたところ、国立科学博物館で「化石ハンター」展が行われていましたので、行ってきました。
国立科学博物館の入場の際には事前予約が必要となりますのでご注意ください。
また、音声ガイドを借りることをおすすめします。(特に5歳から小学生までのお子様と行かれる場合は、音声ガイドがあるとゆっくり回れる傾向があると思います。)
化石ハンター展とは
「化石ハンター」展とは、国立科学博物館で2022年7月16日〜10月10日までの間、ロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検100周年を記念した国立科学博物館の特別展です。
化石ハンターとは、地層の中に眠っている化石を探す人のことを指します。
ロイ・チャップマン・アンドリュースとは、アメリカ自然史博物館の学芸員で、20世紀前半にゴビ砂漠を探検し、化石発掘をおこなった人です。
恐竜プロトケラトプスの一種「プロトケラトプス・アンドリューシ」や史上最大の肉食性哺乳類である「アンドリューサルクス」の名前の由来になった人でもあります。
国際的な海洋生物調査もため、来日したこともあります。
今回の展示は、ロイ・チャップマン・アンドリュースの化石発掘の歴史とそれに続く化石ハンターの活動や成果が紹介されています。
ゴビ砂漠はモンゴルと中国の両方の国にまたがる世界で5番目に大きな砂漠です。
アンドリュースは中国から入り、発掘を進めていきました。
ゴビ砂漠で見つかった恐竜たち
ゴビ砂漠では、恐竜の化石や哺乳類の化石が見つかっています。
1922年の調査では、プシッタコサウルス、プロトケラトプスアンドリューシなどが発見されています。
上の写真はプシッタコサウルスです。モンゴルと中国の広い範囲で多くの種類が見つかっています。
上の写真はプロトケラトプスです。
恐竜化石発掘地マップにも記載がある、「炎の崖」で一つだけ採集された頭骨に基づいて名づけられました。
ゴビ砂漠の化石で最初に学名にアンドリュースの名前が付けられた恐竜です。
その後の調査でも、ヴェロキラプトルなどが発掘されています。
パクトロサウルスです。
上の画像はヴェロキラプトルです。
映画のジュラシックパークの登場する有名な恐竜です。
映画では人間よりも大きく描かれていますが、実際の大きさは、全長(頭胴長+尾長)約2メートル、腰高約0.5メートル、推定体重15キログラム程度の小型の肉食恐竜です。
その他、アンドリュースに続いた化石ハンターたちの発掘の成果の化石たちが展示されていました。
タルボサウルスの頭骨。
白亜紀後期における中央アジア最大の肉食恐竜と考えられています。
アンキロサウルスの仲間のタラルルスです。
上の写真はネメグトマイアです。
名前の由来は産地をとって「ネメグト(モンゴルの地名)の良母」です。
このネメグトマイアは日本人の化石ハンターである小林快次氏(現北海道大学教授)が発見したものです。
哺乳類の起源につながる化石たち
今回の展示では、恐竜の化石だけでなく、哺乳類の化石についても展示されています。
アンドリュースが率いた中央アジア探検隊の本当の目的は「人類の起源につながる哺乳類化石の発見」でした。
その成果や、その後の世代における発見についても展示されています。
上の写真は哺乳類史上最大の陸上哺乳類であるパラケラテリウムです。
大きすぎて写真に納まりきれませんでした(笑)
上の2枚の写真はプラティペロドンです。
下あごの前方がシャベルのような形をしており、この下あごを使って木の葉を食べていたようです。
世界初公開のチベットケサイと新説「アウト・オブ・チベット」
展示を進んでいくと、メイン展示であるチベットケサイとアウト・オブ・チベット説の展示があります。
アウト・オブ・チベット説についてですが、インド亜大陸は白亜紀前期(1億数千万年前)には南半球のマダガスカル近くに位置していましたが、大陸移動によって北上し、今から5000万年前頃にアジア大陸に衝突しました。インド亜大陸の北の部分はアジア大陸の下に潜り込み、衝突前には海の底にあった部分がヒマラヤ山脈となり、その北側に位置したアジアの広い範囲が上昇して広大なチベット高原ができました。この隆起により鮮新世(約533万年~約258万年前)において北極よりチベット高原は寒冷となりました。
このことから、ヒマラヤは、北極、南極に次ぐ第三の極地とも言われ、その北側に広がるチベット高原は第三極圏と捉えることができます。インド亜大陸の衝突後、次第に高地化、寒冷化するチベットで、そこに生息していた哺乳類が寒冷環境に適応していき、その後到来する氷河時代である更新世の到来とともにユーラシアの高緯度地域に放散した、というのが「アウト・オブ・チベット」説となります。
この「アウト・オブ・チベット」説を象徴する化石が本邦初公開となるチベットケサイの化石となります。
氷河時代末期頃のシベリア地方からは毛の長いケブカサイが知られているところですが、それより少し古い時代で、中国北部からもその祖先と思われる仲間(ニホワンケサイ)が見つかっています。このチベットケサイはケブカサイの祖先(ニホワンケサイ)よりももっと原始的な化石であったことから「アウト・オブ・チベット」説が誕生しました。
上の図はチベットケサイの復元模型です。
子供のチベットケサイはかわいいですね。
上記写真はチベットケサイの全身骨格復元標本です。
角が大きくてカッコいいです(笑)
「アウト・オブ・チベット」説はチベットケサイだけでなく、起源が中央アジアとされているヒョウ亜科のチベットユキヒョウが第三極圏で見つかったことや、第三極圏の化石で見つかったチベットザンダギツネと北極圏に生息するホッキョクギツネに類似点があることから、近縁である説が有力視されたことなども「アウト・オブ・チベット」説を後押ししています。
このように新説にも触れることができ、新しい発見がある特別展でした。
Dr.ストーンとのコラボ展示
このほか、常設展ではDr.ストーンとのコラボ展示が行われており、アニメ(漫画)で登場したロードマップが実物と一緒に展示されていたり、館内の展示をDr.ストーンの声優さんが紹介してくれたりといった展示が行われており、楽しめました。
大人も子供も大満足の一日になると思いますよ。
今日も、一歩前へ。
では、また。
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