本日は小学校低・中学年の子が楽しめる本をご紹介させていただきます。
子供にも読みやすく、いろいろな要素が詰まった興味を掻き立てる本です。
紹介する本
本日は、講談社出版の「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」という本を紹介します。
この本は、第19回さぴあ作文コンクールの低学年向け課題図書に選ばれています。
夏休みの読書感想文の題材とするにはもってこいの内容の本です。
絵本なのでサクッと読めますが、いろいろと考えさせられる本です。

あらすじ
この本の主人公である坂本さんは食肉センターに努めています。
食肉センターでは牛のいのちを解いて(牛を屠殺して)、お肉にする仕事をしています。
坂本さんのような仕事をする人がいなければ、牛の肉を誰も食べれなくなるため、大切な仕事ということはわかっていますが、牛と目が合うたびに罪悪感を感じ、仕事がいやになってしまいます。
ある日学校の授業参観があった日、坂本さんの息子のしのぶくんが「お父さんが仕事ばせんと、みんなが肉ば食べれんとやね(お父さんが仕事をしないと、みんながお肉を食べれないんだね)」と言ってきました。
なぜそのようなことを言い出したのか坂本さんが聞いてみると、担任の先生から、「お前のお父さんが仕事をしないと校長先生も会社の社長も誰もお肉を食べれないんだぞ、すごい仕事だぞ」ということを言われたようでした。
そのことがあり、しのぶくんは坂本さんの仕事を「すごい仕事」と思ってくれたようで、坂本さんは少しうれしくなりましたが、それでも罪悪感は残っていました。
ある日、坂本さんが仕事を終えて事務所で休んでいると1頭の牛が食肉センターに運び込まれてきました。
運び込まれた牛には10歳くらいの女の子が付き添っていてしきりに牛に向かって謝っています。
その内容も「みいちゃん(牛)がお肉にならないとみんなが暮らせないみたいなんだ。ごめんね。」といった内容した。
坂本さんはその光景を見て、この牛は殺せないと思い、仕事を休もうと考えてしまいます。
その夜、息子のしのぶくんにその話をしたところ、「お父さんがしてやったほうがいいよ」を言われ、翌朝に学校に行く前にもしのぶくんから「今日はいかないけんよ(今日はいかないといけないよ)」と言われて思わず「おう」と返事してしまいまったことから、仕事に行かないといけなくなりました。
食肉センターでみいちゃんに声をかけ、屠殺する前にみいちゃんが涙を流し・・・。
坂本さんは自分の仕事について考え直すことになります。
感想
この絵本は、命を「解く」という言葉を使って、食肉解体業の現実を描いています。
命を解くことは、命をいただくことでもあります。
普段、何気なく食べている食べ物ですが、私たちが食べるために、動物たちが犠牲になっていることを忘れてはいけません。
ラストにみいちゃん(牛)に付き添って謝っていた女の子が涙を流しながら「おいしい」といってみいちゃんのお肉を食べているシーンでは食べ物に対する感謝と尊敬の気持ちを思い出させてもらいました。
また、この絵本は、仕事に対する誇りや責任感も教えてくれます。
子どもだけでなく、大人も読んで考えさせられる一冊です。


今日も、一歩前へ。
では、また。
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