【国語:読書感想文】(小学校高学年向け)成瀬は天下を取りにいく(本の紹介)

学習道具紹介

こんにちは。

本日は中学受験を予定している小学校高学年の子おすすめしたい本をご紹介させていただきます。

紹介する本

本日は、「成瀬は天下を取りにいく」という本を紹介します。

この本は、宮島未奈著の小説で、2023年に刊行された連作短編集です。

2024年の本屋大賞受賞作であり、著者のデビュー作でもあります。

また、2024年の中学受験の国語の試験で出題されました。

あらすじ

舞台は2020年、新型コロナウイルスの影響で閉店の危機に瀕している滋賀県の百貨店「西武大津店」。

主人公の成瀬は、中学2年生の夏休みに突如、西武大津店に毎日通い、中継に映り込むという奇行を始めます。誰にも理解されない行動の裏には、成瀬の壮大な計画がありました。それは、「コロナの影響で閉店する西武大津店を救い、天下統一を果たす」というものだったのです。

成瀬は、西武大津店での様々な経験を通して、人々の心と繋がり、西武大津店を盛り上げていきます。また、お笑い芸人を目指したり、坊主頭にして話題を集めたりなど、奇想天外な行動で周囲を翻弄しながらも、確実に自分の目標へと近づいていきます。

物語は、成瀬の幼馴染や家族、西武大津店の店員たちなど、個性豊かな登場人物たちの視点から展開されます。成瀬の行動に最初は困惑したり反発したりする人々も、次第に彼の熱意や誠意、行動力に感銘を受け、協力していくようになります。

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感想

物語の中心となる成瀬は、突飛な行動と確固たる意志を持つ、まさに規格外なキャラクターです。西武大津店が閉店するまで毎日通い続ける、M-1グランプリに出場する、髪を伸ばして成長記録をつけるなど、その奇行は周囲を驚かせ、時には困惑させます。しかし、成瀬の行動には彼なりの信念と意志があり、決して無意味ではありません。

特に印象的なのが、西武大津店での毎日の行動です。閉店を控えるデパートという場において、成瀬はただ黙々と時間を過ごします。その姿は、コロナ禍で閉塞感を抱える人々に希望を与え、同時に社会のあり方への疑問も投げかけるのです。

成瀬の言動には、一見突飛に思えるものも多くあります。しかし、その根底には、現代社会に対する鋭い洞察と、人間に対する深い愛情が込められていると感じられます。彼女は、型にはまらない生き方を貫き、周りの人々に新しい視点を与えてくれます。

また、成瀬の親友である「私」は、彼女の奇行に振り回されながらも、常にそばで支えようとします。「私」の視点から語られる物語は、成瀬の行動を客観的に捉えつつも、彼女の内面にある想いを理解しようと努める心情が伝わってきます。

成瀬と「私」の友情は、本作において重要な役割を果たします。互いを尊重し、支え合う二人の関係は、読者に深い感動を与えてくれます。

本作は、コロナ禍という閉塞感のある現代社会を舞台に描かれています。成瀬の行動は、そのような時代の中で希望を失いかけた人々に勇気を与えてくれるものです。

また、社会のあり方や人間の生き方について考えさせられる場面も数多く存在します。読者は、成瀬の生き方を通して、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけを与えられることでしょう。

中学受験での出題

  • 豊島岡女子学園:この学校では、主人公「成瀬あかり」が「孤高」であるところが問われました。「孤高」とは、一人であっても自信や誇りを持ち、一般的な意見や流行に流されず、自分の信念を持って行動し、個人の内面的な強さが表れている状態のことを言います。

そのほか、栄東(東大特待)開智未来においても同小説を題材に出題されています。

近年の中学受験の国語の出題傾向としては、重要なワードや接続詞などの機能語、段落の切れ目などをチェックしながら読み解く癖をつけることが求められています。また、物語の中でのキャラクターの視点や感情、物語のテーマやメッセージなどを理解し、それを踏まえた解答を求められることもあります。『成瀬は天下を取りにいく』のような作品では、主人公の視点や成長、物語のテーマなどが問われることが考えられます。具体的な出題内容や視点は、各学校の過去問題や模擬試験などを参考にするとより具体的な理解が得られるでしょう。

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今日も、一歩前へ。

では、また。

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