アニメで平家物語を楽しむ

学習道具紹介

こんにちは。

最近、子供と一緒に日本の歴史の漫画などを読み耽っており、漫画以外でも楽しく学習できるものがないかと探していたところ、最近、平家物語のアニメが放送されているということを知ってみ始めました。

このアニメは、三島由紀夫賞などを受賞している古川日出男氏が「平家物語」を現代語訳した「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 平家物語」をベースとしているものです。


アニメストーリー

平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、
「お前たちはじき滅びる」と予言される。

貴族社会から武家社会へ――
日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。

物語の語り部となる琵琶法師の「びわ」がアニメオリジナルキャラクターとして主人公に据えられており、平家の人々と「びわ」との交流を軸に、叙事的な史実に留まらず、時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の群像劇として描かれています。

第一話の冒頭では、平家物語の有名な書き出しである、

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》

という一文からアニメが始まり、大人も子供もインパクト大だと思います。

(平家物語を良く知らない子供はどういう意味?となると思いますが、そうなれば子どもに興味を持たせることに成功したと言えると思います(笑))

平家物語公式サイト

TVアニメ「平家物語」公式サイト
琵琶法師により語り継がれ、後世の文学や演劇に大きな影響を与えた大古典『平家物語』。《監督》山田尚子×《脚本》吉田玲子×《キャラクター原案》高野文子×《音楽》牛尾憲輔による初のTVアニメ化!

見所

このアニメ版「平家物語」ですが、平重盛とアニメ版オリジナルキャラクター「びわ」との交流をメインに話が進んでいきます。

このアニメの時代背景には、平清盛が武士として初めて太政大臣となり、平氏の全盛の時代に繋がったというところがあります。

平清盛は、伊勢平氏を率いる武家の棟梁として、天皇と上皇、貴族・藤原氏の仲間割れ、源氏とのあらそいに巻き込まれつつも最終的に勝ち残り、朝廷での権力を得ていきました。そして、武士としては日本史上初めて、1167年、朝廷の最高の官職・太政大臣(だいじょうだいじん)になり、朝廷・貴族社会の頂点に君臨することとなります。

しかし、清盛はこの太政大臣をわずか三か月でやめてしまいます。

清盛は太政大臣になったという事実だけが大切で、その3か月で平氏の人々が朝廷の高官になれるよう後押しをし、一方で日宋貿易の拠点として大輪田泊(現兵庫県・現神戸港西側)の大改修に心血を注ぎました。

平氏が権力を得るまでの武士は朝廷・貴族らの「番犬」として、戦争の道具として、低い立場として扱われていたのが、清盛によって完全にひっくり返されました。

日本の支配者が朝廷や貴族から武士に代わる古代から中世への大転換がはじまりました。

第1話では、平氏全盛の時代、序盤に平時忠が平清盛と話をしている場面があり、「平家にあらざれば、人にあらず。」という有名なセリフが出てきます。

また、第2話では、当時の朝廷との力関係なども史実に基づいた事件などをもとに、うまく描かれていると思います。

第1話、第2話では、「殿下乗合事件※1」や「保元・平治の乱※2」などとの関係や、平清盛が大輪田泊を作ろうとした背景なども読み取ることができます。

加えて、2話まで見た感想ですが、このアニメの登場人物が、魅力的で、話に引き込まれてしまいます。

特に、平清盛と平重盛のキャラクターが対照的で、平清盛は自分の思い通りに物事を進める強引な部分が「面白かろう」という言葉でうまく表現されていたり、平重盛が、いかに平氏の立場を悪くしないようにバランスをとりつつ立ち回っていたのかが表現されています。

そのほかのキャラクターも歴史の勉強をするだけでは感じ取ることができないような部分を感じることができ、歴史をより身近なものとして感じることができると思います。

面白いアニメは映像とストーリー展開で話に引き込むので、勉強しているという感情が全くなく、自然と知識を蓄え流ことができますので、とても良いツールだと思いました。

すでに1話、2話の放送は終了していますが、アマゾンPRIMEなどで見ることができるので、興味が湧いた方はぜひ見てみてください。

では、また。

※1 殿下乗合事件

鷹狩の帰途に藤原基房の一行と鉢合わせた資盛が、下車の礼を欠いたという理由で基房の従者により馬から引きずり降ろされ、過度の辱めを受けた。これに清盛は参内する基房を襲撃し報復。「平家悪行のはじめ」とされている事件。

※2 保元・平治の乱

保元元(1156)年・平治元(1160)年に起きた、平氏が覇権をとるきっかけとなった内乱です。重盛が「年号は平治、都は平安、我らは平氏、同じ『平』ならば敵を平らげよう」と自軍を鼓舞したことで知られています。

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