お正月のまとまった休みを活用し、前々から行きたいと思っていた「毒展」に行ってきました。
毒をテーマにした特別展は、国立科学博物館では初めての開催となります。
国立科学博物館の入場の際には事前予約が必要となりますのでご注意ください。
会場内ではQuizKnockによるクイズも開催されていましたので、クイズがお好きな方はダブルで楽しめます!!
毒展とは
「毒はコワい…」でも、だから興味をそそる!
実は、この世界は「毒」だらけ。もちろん我々の近くにも…。
「毒」は基本的にヒトを含む生物に害を与える物質として理解されています。しかし、毒のなかには単に毒にとどまらず、薬効をもつものもあります。「生物に何らかの作用を与える物質」のうち、人間にプラスに働くものを薬、マイナスに働くものを毒と呼んで、多様で複雑な自然界を理解し、利用するために人間が作り出した概念と考えることができます。人体に有用なものでも、取りすぎると毒になることがあります。また、アレルギー反応にみられるように、感受性の高低によっても毒性は異なります。
この毒展では動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒について、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げ、国立科学博物館ならではの視点で解説しています。
展示構成は全5章構成となっています。
毒の世界へようこそ
まず初めに、身近な生活の中にある毒や、人体の免疫機能などが紹介されています。
新型コロナウィルスの構造や増殖の仕方、
正常な止血の状態、
正常な神経伝達や
正常なたんぱく質合成などが図解入りで紹介されており、体の仕組みも理解できる展示となっています。
そのほか、ハブの牙の構造や毒をもつ植物、昆虫などの展示が行われていました。
下の写真はハブの牙の模型です。
ビワの実は熟すことで毒がなくなりますが、種には毒があります。
インゲン豆はよく火を通さないと中毒を起こすようです。
普段食べているものでも注意が必要だと再認識しました。
モロヘイヤの種子の毒は牛も殺すほどの毒性があるようです。
毒虫や毒をもつ生き物
虫の中には毒をもつ虫も多いです。
その代表格がムカデです。
トビズムカデに嚙まれたら、セロトニンやヒスタミンを含む毒液を注入されます。
サソリは尻尾の毒針を突き刺し、毒液を注入します。
ハチも毒虫の一種です。
中央の大きいハチがオオスズメバチになります。
世界的に見ても大きいハチになります。
コモドオオトカゲは唾液が毒液です。
蛇の一種であるヤマガカシは口の毒腺と毒がに血液毒をもちます。
それ以外にも、頸腺にもヒキガエルから吸収した神経毒(ブファジエノライド)を蓄積しています。この神経毒は天敵からの防御に使われます。
下の図は毒の英語の解説です。
図で見るとわかりやすいですね。
毒キノコ
毒キノコを見分ける迷信を全否定しています。
きのこに手を出すのはよっぽどのことがない限りやめましょう。
大体の見分け方は迷信です(笑)
毒キノコの代表格であるベニテングタケです。
複数の毒性分を含んでいます。
毒を利用する
人が生きていく上で必要不可欠な酸素も呼吸に使われないものは人体の中で化学反応を起こし、毒となることがあります。
毒をもたない生物が有毒生物と似た外見を持つ現象を「ベイツ擬態」と呼びます。
また、複数の有毒生物種の外見が似る現象を「ミラー擬態」と言います。
比べてみるとほんとによく似ていますよね。
なお、ナナホシテントウは毒虫です。
意外でした(笑)
毒は防御にも役立ちますが、毒を取り込み進化することもあります。
ラーテルやコアラがその代表的なものです。
過去には毒を利用した漁も存在していました。
(現在は環境に配慮し、行われていません)
毒と言えばなんとなく縁遠いものとの考えを持っていましたが、身近にたくさんあることがわかり、とても興味深い展示でした。
ゆっくりまわれば2~3時間かかりますが、新しい発見にたくさん出会えます。
今日も、一歩前へ。
では、また。
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